人民が模範とすべき労働者。仕事に奮闘し、思想的にも優れた労働者に与えられる称号。略称は「労模」(laomo)。生産ノルマ達成を目的としたソ連のスタハノフ運動に倣って、建国前から解放区で実施された。
最も賞賛される「全国労働模範」のほか、省の労働模範などがある。「雷鋒に学べ」で知られる人民解放軍模範兵士の雷鋒、「農業は大寨に学べ」で知られる大寨の農民指導者で副総理までなった陳永貴、大工さん出身で政協前主席の李瑞環も「全国労働模範」に選ばれている。
労働模範になると、幹部への登用や昇給など待遇面で優遇されることが多い。しかし、労働模範の選考では、客観的な選考システムが整っているとはいえず、一部では指導部の主観が強く反映しているとされる。業績がよく、指導部との関係もよい者が簡単に模範になるケースもあるようだ。
市場経済を反映して、最近では資本家である私営企業の経営者にも労働模範の称号が与えられている。その他、「先進工作者」などの称号もある。また、毎年、労働節を前にしてメーデー「全国五一労働賞」の受賞がある。
腐敗と不正は労働模範にも及んでいる。労働模範が巨額の横領や収賄などで逮捕されるケースが後を絶たず、大きな社会問題となっている。
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