中等教育は普通教育と職業教育に分けられている。そのうち普通教育については初級中学および高級中学で実施している。なお、職業教育については中等専門学校、技術労働者学校、農業・職業中学で実施している。
(1)初級中学
初級中学は日本の中学校に当たり修業年数は3~4年、小学からの初級中学への進学率は1998年では約87.30%となっている。履修科目は言語・文学、数学、外国語、物理、化学、生物、政治、音楽、美術、労働、体育であり、小学と同じく留年・飛び級が認められている。卒業に際しては6月に省や区、県など一定地域で統一の卒業試験が実施される。北京市では本年6月24日、25日、26日に言語・文学、数学、外国語、物理、化学、政治の6科目で実施された。
この統一試験は卒業試験であるとともに高級中学等への入学試験ともなっている。生徒は事前に第一志望以下何校かを記入した志願書を提出し、この統一試験の成績に基づいて進学先が決定される。現在中国では受験戦争が過熱化しており、学校側も私立学校が増え激しい生徒獲得競争が起こっている。
北京では4月から5月にかけて、各地で公園などを使って共同説明会が実施され、多数の親子が真剣な表情で参加する姿が見られた。
なお、初級中学卒業生の進学率は1998年では50.7%となっている。
(2)高級中学
高級中学は日本の高等学校に当たり、修業年数はほとんどが3年であり、履修科目は言語・文学、数学、外国語、物理、化学、生物、歴史、地理、美術、政治、体育、労働技術などとなっている。高級中学でも留年・飛び級が行われているが統一の卒業試験はなく、各科目修了の際、省・自治区・直轄市ごとに行なわれる共通試験に合格することが卒業の要件となっている。