以前の中国では、外国人は中国公安局の定めた外国人用の宿泊施設に宿泊することが義務つけられていたが、近年いわゆる<ホテルの渉外規制>はなくなりつつある。安全が確保され公安局に届けを出せば、以前は中国人だけに開放していた一般の旅館でも宿泊することができ、選択肢の幅も、随分広がった。以下、代表的な宿泊施設をあげてみる。
ホテル
中国語でホテルは<飯店><賓館><酒店>と表される。中国国家旅行局(観光局)が定める等級によって星なしから五つ星まで、星の数が多いほど高級ホテルと認定されている。
五つ星クラスでは、中国語以外に英語、場所によって日本が通じ、設備面、サービス面ともに充実している。ビジネスや旅行では、四つ星、五つ星が利用されることがおおい。価格の相場はスタンダードルーム1泊で2000元前後(正規価格)からそれ以上に設定されている。
三つ星クラスは中級とされ、英語が通じるのはおおむねねこのクラスまで。宿泊料金も500~800元前後。二つ星以下のクラスでは、ほぼ中国語しか通じず、設備面でも上述のホテルには及ばないが、宿泊料金はかなり経済的だ。
旅館
<旅館>と表示されているものは、上述の星つきのホテルとは別に設けられた宿泊施設で、設備、価格などは三つ星、二つ星、またはそれ以下のホテルに相当する。現在、おおくの旅館では、オリンピックを控え予想される宿泊施設不足問題に対応するために、政府による施設面、サービス面の改善を急速に行っている。
招待所
<招待所>の表示のある宿泊施設では、大学や政府関係機関など特定の職場及びその職員が優先的に使用できるようなっており、一般的に外部への開放は行っていない。ただし、空き部屋があれば利用できる場合もある。
ユースホステル
<青年旅舎><旅舎>と表示してあるところ、リーズナブルで、比較的若い旅行者や留学生たちの情報交換の場になっている。
北京の伝統建築と融合
西洋式のホテルや旅館に対し、最近では、四合院などの伝統建築物を利用した宿泊施設も増えている。古きよき北京の雰囲気を楽しめるこのような宿泊施設の多くは、かつての政府高官や要人の旧居を改築したもの。なかには重要文化財に指定さているところもある。